所在地:群馬県前橋市
用途:専用住宅
構造:コンクリートブロック造一部木造平屋
規模:約 80 ㎡ 24 坪
施工:(有)森山住建
撮影:金井里奈(before)竹沢佳紀(after)
年代 : 2021年



住まい手の生まれ育った地域に眠っていた遊休物件のリノベーション。
閑静な住宅街のなかにある住宅供給公社による団地が建つエリア、型の分譲一軒家住宅が立ち並ぶ一角。
グラフィックデザイナーで、ものづくりが好きな旦那さんの人柄もあり、ハーフビルド的に、暮らしながら、つくりながら、暮らしの純度をあげていくことが想像できました。
表皮的な部分は手を加えすぎない仕上げとし、同世代の工務店さんの理解もあり、DIY で塗装をしたり、家具をつくったりと、日曜大工的につくる場面も多くあり、建築のつくる過程も考えるきっかけの住まいになった。
ブロック造の躯体を活かした、しつらえにしつつ、住み心地に対しては、断熱、防湿、気密などの性能を高めることも大切にしました。
プランニングに関しては、もともとの空間に落ちている暗さと明るさを指標に構成を考えました。
ブロック造部分の特徴である開口部の少なさは、暗さをつくっていました。暗いことは一見、住まいにとってはネガティブな部分に思われがちであるが、意外とそうでもない。
暗いところから見る明るい場所は、より美しく、より空間に奥行を感じさせてくれる。
ちょうどよい広さの空間にある暗さは落ち着きをくれる。夜は、灯りの重心を下げることで、艶やかな空間にもなります。
経済成長期に各地につくられ、今はストック状態の RC ブロック造の分譲住宅の、「再分譲」につながる事例になるかもしれない。

After

Before